2016年03月17日

トライアスロンにはTTバイクか、普通のロードバイクか。

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トライアスロンのバイクパート。初心者はロードバイクが良いのか、TTバイクが良いのか。(TTとはタイムトライアルの略のこと)
先日、そんな話を友人とした。
別に僕もその友人もトライアスロンはしないのだが、話としてはTTバイクとは本当に僕らアマチュアにまで必要なんだろうか、という話から始まり、トライアスロンとTTという全く性格が反対の競技で同じ自転車が推奨されるとはどういうことなのだろう、という話だ。

先に結論から書いてしまうと、とりあえず初心者の人は普通のロードバイクの方が何かと間違いないだろう。必要ならDHバーも付けておいても良い。
(DHバーっていうのは、トライアスロンやTTなんかでハンドルの先に付いているツノみたいなやつ)

その友人はTTバイクを所有している。アンカーの去年だかに新しく出たアレだ。彼は機材オタクというか、お金を自転車に使うことが生き甲斐というちょっとした病気を患っているのだ。
「やっぱりTTバイクだとコンディションにもよるけど5km程度のTTでさえ1分近い差が出ることもあるよ。独走する場合には明確に効果はあるよ
と彼は言う。

TTバイクが一分近い差が出ることさえあると言う彼の主張の理由は、
DHバーを握った状態で最適になるようにポジションを作っている自転車」
というものだ。
彼が言うには、
「別に車体のエアロ形状についてはお守り程度のものじゃないか、やっぱり一番風を多く受けるのは人間の体だ」
とのことだった。
エアロ化するなら車体よりも、ヘルメットなんかの風の抵抗を受けやすい形状をしているものをエアロ型に変える方が効果は大きいんじゃないか、とも彼は言っていた。


ロードバイクにDHバーを付けるだけではいけないという理由としては、通常のロードバイクドロップハンドルを握った状態で最適なポジションが出るように設定してある。そこにDHバーをポン付けしても、DHバーポジションで最適にはならない、と。

確かに当たり前ではある。
本来、ハンドルというのは手のひらで握る。
しかし、DHポジションでは手首と肘の中間を乗せる
当然、DHポジションの方が、ハンドルが近くなってくれないと、すこぶる前にせり出して乗らないといけなくなってしまう。

なので、DHバーを握る専用の車体というのは、まずトップチューブからして考え直す必要が出て来る。
もちろん、そういう車体では普通にハンドルを持ってサイクリングに行くというのはしんどい。
二兎を追うものは一兎を得ずということだ。


そう考えてみると、彼は「TTバイクはやはり速い、必要」と言いつつ、DHポジション専用のセッティングにさえできればTTバイク、エアロ形状をしている必要はさほどないとも言っているわけでいくらか矛盾もしているし、でも筋は通っているには通っている。
僕もDHポジションの優位性については賛成だし、DHポジションを普段乗っているロードバイクでそのまま取るのは無理があるというのも賛成だ。専用のジオメトリの車体が欲しい。

確かに、どうせDHポジション用にもう一台ロードバイクを用意するなら、せっかくだしTTバイクにしてしまった方が良い気もする。


はて、TTバイクDHポジションを取りたい人には必要なのは分かった。
問題はトライアスロンの場合、どうなのか、という問題だ。
トライアスロンの場合、DHバーは必要か?

これが一口にくくれないところがある。
距離と速度による。距離はアイアンマンショートかでも変わってくる。速度はその人の力量でも変わる。

DHポジションは空気抵抗を劇的に減らすことが出来る。
ただ、練習が難しい。DHポジションを握って走り続けられる道路なんて日本にはほとんどない。
慣れていないポジションを取る=鍛えていない筋肉を使って走らないといけない。
その状態で延々走るデメリットか。
或いはエアロ効果的なメリットか。

むしろ、トライアスロンにおけるDHバーというのは、単にもたれて休むアームレスト的な使い方をする人も少なからずいる。
アームパッドを高くして、前傾がきつくなり過ぎないようにしてもたれかかる。
休みながら、なおかつ空気抵抗もある程度削減できる。
上体が起きる空力的なデメリットを、体の前で手を合わせることで、腰、肩にぶつかる空気を減らすことが出来る相殺できるというわけだ。

なので、トライアスロンで使うバイクも一口にTTバイクと言うけれど、本来のTTとはポジションの取り方が全く違う。


TTでは、いかにサドルとの落差が出せるかが重要だ。
低ければ低い方が良い。もちろん、自分の筋肉が許容できる範囲内で。
TTではアームパッドにもたれてはいけない。アームパッドは腕を添えるだけだ。アームパッドにもたれてしまったら、力のロスが大きい。
トライアスロンとは真逆の設定になるわけだ。

TTバイクの中には、TT用のポジションは取れるけれど、トライアスロン用のポジションは取りにくいというタイプのものもあるので、注意が必要だ。


別の人が言うには、トライアスロンでもTTと同じように、最もペダルに効率良く力が伝えられるようにアームパッドにもたれてはいけないという。
でも、そのやり方は無理がある。
確かに力の伝達効率は良いだろうが、現実問題としてアイアンマンなんかをそのフォームでやると足がもたない。脚が崩壊する。ランパートが全く走れなくなってしまう。
でも、ショートくらいの距離であれば、もちろん、その乗り方であっているだろう。

トライアスロンではあくまでバイクパートはランパートの前のつなぎだ。
ランに疲労を残さないというのが一番の命題だ。


そう考えて行くと、トライアスロンで使うバイクは、わざわざTTにしなくても、普段使っているロードバイクステムを短くして、ちょっと高さを稼げるタイプのDHバーをポン付けしてやるっていうのでも良い気はする。

でも、それはそれで面倒くさいと感じる人も少なくない。
「トライアスロン用のポジションのTTバイクなら長距離を楽に走れる姿勢だから、普段も全部それに乗っちゃえば良いんじゃない?むしろロードバイクの方がいらないんじゃないの?」
という話になると、やはりDHバーを握れるのは、交通規制で全く自動車が来ないという前提がないと難しい。

やっぱりそうなっていくと、DHポジションを握れるトライアスロンのレースで使用する専用ポジションのバイクは一台別に持っていた方が良いんじゃないかとなる。
それならせっかくだからTTバイクがカッコいいじゃないか、DHバーと言えばTTでしょ、というわけだ。

でも、多分、トライアスロンの場合、路面からの振動、突き上げなんかも考えるとTTバイクじゃなくて、普通のロードバイクのフレームにブルホーンバー、DHバーを付けるという形の方が理に適ってはいるだろう。
でも、トランジットのバイクラックにかけておくなら、やっぱり普通のロードじゃなくてTTバイクが満足感が高い。
みんなの視線がオレのTTバイクに突き刺さるぜカッコイイだろ、って具合で。


それでも、ショートのトライアスロンで使う場合は、やっぱりTTじゃない普通のロードバイクが間違いなく便利だ。
というか、TTバイク禁止の大会もある。やはりTTバイクは操作性は良くない。ショートの場合、他の選手との接触の可能性もある。そうなると、安全のためTTバイクは禁止とする大会もあるのだろう。


そう考えていくと、やっぱりトライアスロンの人はとりあえず普通のロードバイクだけでも良いのだろう。
金銭的余裕があって2台持ち出来るという人はDHポジションを握った状態で楽な姿勢が取れるようポジションを出しておく。別に性能的な話をすれば、TTバイクでも普通のロードバイクでも構わないが、やっぱりTTバイクの方が気分は良い。

まあ、そんなこんな。

posted by じてぼん。 at 19:00 | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする