2016年11月13日

松本岡山四日目、白川郷から石川。

松本から岡山四日目は石川県小松市のゲストハウスにいる。

テントの方が気楽で良いのだが、明日、山小屋の仲間と会って遊ぶので、洗濯やら風呂やらしないといけない。


そうは言えど今日は土曜日、空室無しだろうと思ってコインランドリーにお昼寄った。
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「コインランドリーブルースのうた」

自転車に乗って遠くに行くと気持ちが良いよー

でも 汗もかくし いつも野宿だからー

ほんの少しだけど ほんの気のせいだけれど 良くないにおいがするようになるよー

普段は別に気にしなくても 女の子に会う前にはコインランドリーブルースするのさー

洗濯とお風呂を我慢すればー

水を節約できて地球に優しいよー

でも 女の子に会う前にはー

ああー コインランドリーブルース

洗いに30分とー 乾燥に30分ー

コインランドリーブルースをうたえばちょうど良いのさー


そう、コインランドリーは暇なのだ。暇な間にうたでも作るとちょうど良い。

コインランドリーは自転車旅の憩いのスポットでもある。


ただ、昨今はゲストハウスも増えたし、ビジネスホテルも安いところもある。

コインランドリーって洗濯で700円、乾燥で200円とか掛かる。風呂も五百円とかもう少し。合計1500円。

そうなるとゲストハウスなんか3000円程度で両方出来るし、カメラやケータイなんかの充電も出来るから、やっぱりゲストハウスになるわけだ。


まあ、そうは言っても、週に二日もは贅沢な気はするけれど。


さて、ルート。

富山県白川郷五箇山から南砺市を抜けて、石川県金沢市を通り、小松市へ。

五箇山から南砺市に抜けるには五箇山トンネルを抜ける。トンネルまでが結構な傾斜の登りなのだ。トンネル自体は道幅は広くはないが、明るかったし、五箇山からだと下りになる。それに、さほど交通量もなかったので、特に怖いこともなかった。

トンネルを抜けると久し振りの平野で感動がある。


山岳は楽しい。景色も良いし、何だかアドレナリンも出るのか、とても気分が高揚する。

でも、奥飛騨は本当に登りか下りしかない。平らな道がない。

久々の平野には感動さえある。


しかし、いざ平野を走り始めると、最初は楽で嬉しいのだが、まったく手応えみたいなものがない。暇なのだ。

まあ、紅葉の奥飛騨の後だと大抵の土地が色あせて映るのは仕方ないのかもしれないが。

景色の点でもそうだが、坂はつらいから嫌なのだが、やはり坂は楽しい。


金沢は観光客が多いのでスルー。

ただし、喫茶店禁煙室だけは素晴らしかった。

まず、道で目に入った瞬間に感動がある。建物の構えも良いが「煙草の吸える喫茶店禁煙室」と看板にある。

中に入ると、実に品の良い、昭和の美しい喫茶店という風格がある。馴染みの客と店主のやりとりも非常に良い。

「あの方、芸妓さんですよ」

などと、店のおばちゃんが教えてくれる。

着物を着た観光客かと思っていたが、本当の芸妓さんらしい。


金沢は非常に良い町なのだが、いかんせん土日の観光客の多さはちょっとたまらない。

電車で来て、のんびりと観光を楽しむには良いのだろうが。

あるいは宿を2泊取って一日かけてのんびり歩くにも良い。

ただ、自転車旅でそこまでの日程を作れるかどうかっていうのはもの凄く難しい問題だ。

やはり日本では時間は限られるのだ。


やっぱり白川郷みたいにほんの一瞬で心を満たしてくれる場所っていうのは少ない。


それでも、今夜泊まっている小松って町は良い意味で期待を裏切られる。

町並みがものすごく良い。気取っていない日本の民家がある。

博物館も飛行機と車がある。

海もある。

観光としても金沢もすぐだし、温泉も少し山に入れば良いところがある。


なのに観光に失敗している。

行政の努力も伺えるけれども、全部空振りだ。


一口に言えば、物凄くもったいない町だ。

こんなに良い観光資源があるのに、なぜそんなに逆のことをするのだろう。


もうひとつ逆を取れば、穴場でもある。

本当にこんな良い町が、なぜ誰も手を出さないのか。


たった一人の天才がいればものすごく町が立つだろう。


そんな町なのだ。


それはゲストハウスにも通ずる。

三千円でこんなに綺麗なところに泊まれるのかと思わされるほどのクオリティがある。


古民家を再生したところで。ものすごく綺麗にリフォームしている。


それが裏目に出る。

綺麗にやり過ぎているのだ。

本当、日本で三千円の宿とは思えないほどに美しく仕上げている。


大工さんがオーナーなのだと言う。

それが裏目に出てしまっている。

旅人の不思議な感性として、綺麗すぎるところには警戒心を持ってしまう。


それは飲み屋なんかにも共通する。


本当に資源に関しては、物凄く良い町を持っているのに。

なぜこうも逆のことをしてしまうのか。

意味が分からないほどに、町の良さをいかせていない。


こんなに良い宿を作る、本当に金がかかっている、なのに客を呼び込めない。

観光資源がないからだと言う。

金沢みたいな町並みもないと。

しかし、実際には見る人が見ればよだれが垂れるような良い町並みがある。


古民家もうつくしいくせに、小松製作所の本拠でもある。ブルドーザーを自分の手で触れる貴重な町なのに。


そういう意味で、ものすごく穴場なのだ。ものすごく良い町なのに活かしきれていない。


山だって白山もある。

白山には驚く。

日本海側の町だから曇りが多くて滅多には見られない。

今日も白山ははっきりは見えなかった。

はっきり見えずとも、薄ぼんやりだけでも驚くほどに美しい山だった。


まあ、でも、順当にいけば、やっぱり金沢が面白いんだろう。

穴場という意味では小松も良いにせよ。

金沢の町に行ったことのない人ならやっぱり金沢が良いだろう。


町の面白さ自体も大事だけれど、住んでいる人が誇りを持っているかどうかって大事だと思う。

残念ながら、小松にはそれがないと感じられた。それゆえに人々は町の良さを活かしきれない。

残念ながら、そんな風に感じられた。


もちろん、そんなのは一晩泊まって町を歩いたり話を聞いただけの個人的な感想なのであてにはならない。

美しい信州の峠、奥飛騨、白川郷の紅葉。そこの次の日に来ると大抵の町が見劣りするっていうのもあるんだろう。


まあ、そんなこんな。

posted by じてぼん。 at 01:59 | 自転車旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする