2019年10月16日

自転車屋はどう選ぶか。

本日で自転車屋を引退した。書き終わった今は昨日になってしまったけど。

改めて入口から店内を見ると、まあ、立派な綺麗な店舗の店長をやらせて頂いたものだ。
トレックにキャノンデール、デローザ。一流メーカーを取り揃えたプロショップだった。

初めて海外を走った頃にはチェーンの掃除の仕方もロクに分からなかった。
それが縁がつながって、立派な自転車屋さんの店長までさせてもらえた。
まさか自分がプロショップの店員さんするなんて、夢にも思わなかった。

自転車業界を去るのは寂しい。

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別に縁というほどのものはないけれど、なるしまフレンド立川店さんが閉店した。
なるしまフレンドと言えば日本国内のロードバイク好きなら多くの人が知っている名店だ。
あのなるしまさんが閉店するとは。これはショックである。
実情は分からないが、儲からなかったのか、店を切り盛り出来る人材が確保出来なかったのか、或いは経営者のお家事情なのやら。
何にせよ名店の閉店とはショックである。

ちなみに閉店ではなく神宮店と統合ということにはなっている。

昔、僕の初めての自転車屋さん勤務はなるしまフレンドさんの近くだった。
本気でレーシーに走りたいという人がいれば、
ーーそれはなるしまさんに行った方が良いかもしれませんね。
と何度か言ったのを覚えている。

なるしまフレンドさんで買い物したことはないが、本気で走りたけりゃなるしまさん、ってのはやっぱりあった。

今思えば、別になるしまさんで無理に買わなくたってレースには出られるし、速くもなれる。
速い人はどこで自転車を買っても速い。

そうは言っても細かい調整なんかは、やはり店での差が出る。

実際問題として、どういう基準で店を選ぶべきなのか。
改め自転車屋さんを引退する今考えてみる。

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まず思い浮かぶのが調整の上手い下手である。
でも、この問題って案外そこまで深く考える必要はないと思うのだ。
特にワイヤー引きのリムブレーキロードバイクの場合、そんなに下手くそな店ってあまりない。

そうは言っても、スポーツデポだったりという量販店だと、そもそもにワイヤーの長さの調整もロクにしない。BBなんかを外してネジ山を確認したりもしない。
やっぱりそういうのは流石に困る。

じゃあ、どこまでなのさ、って話になる。
個人的には二年後問題なくバラせるかっていうところが基準だ。
ーー固着していて開きませんね。
ーーネジが斜めに入っていますね。
ーーオーバートルクで死んでますね。
この手のことが起きると修理ができなくなってしまう。

なので、目安としてはオーバーホールが出来る店かどうかということになるだろう。
オーバーホールっていうのもどこまでやるか店によって違うにせよ、数年後バラして整備できる店じゃないと、組み付けも雑だ。オーバーホールをやる店は組付けが雑だと後で自分たちが苦労することになるので、組み付けも丁寧にする場合が多い。もちろん、全てがそうとは限らないけど。

あとは個人店は信頼できる。店主が自分で接客して修理までする。何よりも時間外労働をしてくれる。営業時間内で終わらなくても、残って時間をかけてやってくれる。

ただ、個人店は店主が勘違いしている知識は指摘してくれる人がいないので、永遠に勘違いしたままになってしまう。
特にディスクブレーキのように新しい技術についてはメカニックが何人かいて知識や技術を共有できる店の方が良いこともある。

それでも、何人も従業員がいて、何店舗もある店はハズレのメカニックなんかもいる。
信頼できる店員さんがいても、子どもが産まれるから退職するなんてこともある。

まあ、あんまり深く考えると難しくなる。

でも、個人的には気の合う個人店で自転車は買った方がベストだと思う。
ただ、僕自身そうなのだが、あんまりベッタリ付き合うと定期的に買い物もしないと気まずくなるし、自分でいじることも多いとなると店にアレコレ言われるのも面倒だと感じる人もいる。

ベッタリ常連で付き合うのもおもしろいんだけど。
常連をやるからには、それなりにお金も落とさないといけない。
それは自転車屋に限らず、バーなんかでもそうだろう。
当たり前だがこちらは遊び、向こうは商売である。
もちろん、いくらかの友情も芽生えるにせよ。
それでも、やはり客はお金を落とさないといけない。お金を落とさずに常連顔して店に通ったって文句は言われないだろうが、そりゃ、向こうも内心おもしろくはなかろう。

そんなわけで、次に車体を買うときにある程度お金を落とすタイミングで常連になってみようかなと考えたりはするけど。
まあ、先立つものは金である。
商売だから。

とりあえず僕は当面は自分で細々修理しつつ、どうしようもなくなったら助けてくれるお店を探さないといけない。
こういうのをショップ難民という。

そんなわけで、車体を買うタイミングで今後長くお世話になれそうな店を探さないといけない。
これって難しい。

ある意味ではそういうことをいっさい考えなくて良いチェーン店のサイクルベースアサヒは最強だし、逆をいえばせっかく車体を買うならアサヒじゃないところでコネを作っとく方が良いとも言える。

かかりつけの医者を探すのに似てはいる。
腕は分からない。
でも、基本的にはかかり始めたら、病気の途中で病院を変えるのも気が引ける。
そもそもかかってみたところで、腕がいいのか悪いのか分からない。

ネットの口コミもアテにならない。

ーーオーバーホールは大事ですよ。
ーー修理、点検はいつでも持ってきてください。
そういう店なら、まあ、大丈夫だろう。
その程度の基準であとは気楽に探してみるのが良い。

そもそも、買いたいメーカーを扱っている店なんて、その地域にたくさんあるわけでもないので、選択肢はさほどないのだ。

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なるしまフレンドがなぜ偉大なショップだったのか。
走行会を熱心にやったからだろう。

あそこの走行会というか走る会は実に盛大だ。

走行会を基準にショップを選ぶっていうのはアリだろう。
ロードバイクとはひとりで楽しむあそびでもあるが、やはりたまには誰かと走りたい。
そうは言っても知人でロードバイクをやっている人で、なおかつ走力が合う人なんてなかなか都合良くいない。
近くに社会人サークルみたいなものがあればそれでもいいけれど、そういうのがなければショップの走行会に行くのが手っ取り早い。

なるしまさんのところが分かりやすいが、人が多くて、クラス分けもあるところはやっぱり参加しやすい。
まあ、逆に参加しにくいように感じる人もいるだろうが、一度参加すれば案外すんなり入れるものだ。

でも、走行会をそうやって開催する店は多くはない。
現になるしまフレンドさんも閉店した。
走行会って、やってもあまり儲からない。
楽しいけど。
むしろ、人間関係のトラブルが発生したり、交通マナーが悪いとかクレームが入ったり、デメリットが多い。

お店としてはプラスアルファのサービスとしてやっているのに、もめ事になると難儀する。
走行会に来てもほとんど買わないというお客さんも珍しくはない。
そりゃそうである。無料で参加できるから来ているだけで、有料なら参加しないという人がほとんどなのだ。走行会でよくしてもらったからって、何か買わなきゃいけないってのは疲れるし、そこまで考える人は多くない。特に近年はそうだろう。インターネットで買った方が安いし、品揃えも良い。

そんなわけで、走行会をしているお店は減っていきつつある。

逆をいえば、だからこそ走行会をしている店で買うっていうのはアリだろう。

さらにいえば、走行会をする店って、走ることに真摯なところが多い。
整備や組み付けもキチンとしてくれる店が多い。

走行会で店を選ぶってのはアリだろう。

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なるしまフレンドさんが素晴らしかったのは、高級なヨーロッパブランドの取り扱いも多かった。
粗利の悪いブランドだろうが、部品取り寄せの面倒くさいカンパニョーロだろうが。
要は儲かる儲からないではなく、自転車好きの心を満たしてくれる店だった。

かと言って、実際に買うのはシマノで車体はジャイアントって人の場合、ヨーロッパブランドの取り扱いは正直者どっちでも良いことではある。

でも、やっぱり金額の高いヨーロッパブランドをやってるお店は自転車好きとしては嬉しいものだ。

ちなみに個人的には次はLOOK欲しいなと思ったりもしてる。LOOKをやってる店が良いなとは思う。
でも、予算の都合でジャイアントだったり、アメリカメーカーで落ち着く気もする。

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良い自転車屋さんかどうか。
普遍的なすべての人にとっての基準はないんだろう。

それでも、やはり修理が出来るってのは大事だ。
というか、それがすべてだろう。

あとは誠実であるかどうか。
自分の失敗を認めない自転車屋さんもある。

まあ、誠実かどうかについては自転車屋さんに限らず、どんな商売でも大事なことだろうけど。

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ーー馴染みの店員さんがやめない店ってのは大事だね。あとは潰れないってことも大事だね。
笑いながら友人に言われた。
まったく。仰るとおりで御座います。

でも、そこについては人生いろいろ。
自分の人生でさえ先のことは分からないのだから、自転車屋さんがやめずに、潰れずにずっと続けてくれるか、これはなかなか分からないことで。

何店舗も展開して商売に走っている店は景気が悪くなれば店を減らすし。
個人店で商売っ気のないところは景気が悪くて潰れてしまうこともある。

まあ、難しい話で。

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それにしても、自分が自転車屋を辞めるのも悲しいけれど。
あの名店、なるしまフレンド立川店さんが閉店とは。
実に悲しい話だ。

まあ、そんなこんな。
posted by じてぼん。 at 23:38 | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする